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dezadocument

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まとまった音源まとめ 5月~8月 (2016)

今年の1月~4月にリリースされたまとまった音源の中で、実際に聴いて気に入ったものをまとめました。

 

1. C.O.S.A. × KID FRESINO『Somewhere』

今、日本で最も脂が乗っているラッパーと言っても過言ではない2人が、2月の「Diagonal」での共演をきっかけに制作をスタートさせたWネームアルバム。

剛柔を兼ね備えたフロウ、吐き出す言葉一つ一つの圧倒的な重さで脳裏に焼き付くようなラインを連発するC.O.S.A.と、ビートの上を軽やかに跳ね回り時に印象的なフレーズを残すKID FRESINOのラップは聴き手をワクワクさせる魅力を持っている。

聴きどころが多く非常に濃密だが、トータル33分という短さもあり何度も再生したくなる。

2人の間に絶対的な信頼があるからこそ出来上がった傑作。

 

2. 韻シスト『CLASSIX』

結成15年、日本におけるヒップホップバンドの先駆け的存在である韻シストのニューアルバム。

ヒップホップ、ジャズ、ソウル、ファンクなどの様々なジャンルの音楽を消化し、独自に奏でるサウンドが持ち味の彼らだが、今作ではそれが最大限に発揮されていて、どこを切っても韻シスト印なアルバムになっている。

バンドの音は良いが肝心なラップがイマイチ、というのはヒップホップバンドにはありがちだが、それは韻シストには当てはまらない。スムースでメロディアス、そして時にいなたい2人のラップは自然に音に溶け込んでいる。

 

3. KIKUMARU『On The Korner』

今までにソロやクルーで数々の音源を世に送り出してきた菊丸の2ndソロアルバム。

このアルバムの魅力は何と言っても豪華プロデューサー陣による良質なビートにある。目新しさはないがブーンバップ好きにはたまらないのではないだろうか。

ラップについてはKANDYTOWNとして活動し始めてからどんどん良くなっていると思う。数年前まではMCバトルの延長線上のようなラップというイメージがあったが、ここ数年でしっかりビートに寄り添うかっこいいラップに変化したと感じる。

 

4. TOKYO HEALTH CLUB『VIBRATION』

所属アーティストの活躍により現在注目を集める新世代ネット・レーベルOMAKE CLUBからデビューした3MC1DJのヒップホップグループが、マンハッタンレコードに籍を移してリリースした3rdアルバム。

ゆるいイメージがあるかもしれないがそれだけではなく、ゆるさ、ポップさ、ヒップホップらしさのバランスが見事で、より多くの人に開かれた作品になっている。

 

5. YR『Arrow』

かつての"日本語ラップWEBマガジンCOMPASS"の編集者たちで結成されたCOMPASS POSSEの一員であり、現在はパリに住むトラックメイカー(Kaitei Eki名義)/ラッパーによるソロとしては初のまとまった音源。(全曲解説)

丁寧に作りこまれたトラックに、低い声のラップが乗る。もうそれだけで十分すぎるほどの魅力的なのだが、リリックにも深みがあり何度聴いても楽しめる作品になっている。

 

6. Fatslide『Unearth

共に10代の頃からMCバトルや自主盤のリリース、ライブ活動で名を轟かせていたemishiとpeedog(poodle)の4年ぶりとなるまとまった音源。

このアルバムではプロデュースをILLSUGIとYoshinumaに任せ、様々なトラブルを乗り越えたであろう2人のより洗練された、かつタフになったラップが聴ける。

 

7. CPCPC『051』

ニコニコ動画を中心に活動してきたSHAKABOOZと、古くはforte主宰のHAIIRO DE ROOSIやCOCKROACHEEE'zの小宮守などとRainy Channel Posseとして活動し、復帰後は電波少女の楽曲へ参加するなど異色の経歴を持つコカツ・テスタロッサのユニットCPCPCの初EP。

ラップはもちろんトラック、ミックスまで全て自分たちで行ったという今作では、全曲に渡って2人の少しひねたポップセンスを存分に堪能できる。

もう既に次作の制作に入っているとのことなので期待したい。

 

8. maco marets『Orang. Pendek』

これまでbuaとして活動してきた福岡出身のラッパーが、maco maretsに名義を変えRALLYE LABELからリリースした1stアルバム。

BASIの2nd、4thアルバムのプロデュースでも知られる、Small Circle of Friendsの東里起が全曲を手掛けている。

リリースされたのは6月だが本人曰く「秋のアルバム」とのことなので、今の季節にぴったりな作品。

 

9. LIBRO『風光る

2014年に本格的に再始動して以来、コンスタントに音源を世に放ち続けるラッパー兼トラックメイカー。

全体的に風通しが良く、流れも凝っていてアルバム一枚としての完成度が高い。

客演ラッパーの魅力を見事に引き出したM8~M10が今作のハイライト。

 

10. Hi'Spec『Zama City Making 35』

SIMI LABのDJ/トラックメイカーの初となるプロデュースアルバム。

4曲のプロデュースを手掛けたSIMI LABの2ndアルバムでは主にメロウな曲を担っていたが、今作では幅広い楽曲でここぞとばかりに個性を爆発させている。

その音数の多さ、音の構成の複雑さのせいか一周目や二周目ではピンと来なかったが、耳に馴染んでくるにつれて音の重なりによって生まれるグルーヴの気持ちよさにハマっていく。

クセの強いラッパー陣を迎えたラップ曲も良いが、インスト曲も負けず劣らずの存在感を放っている。

 

11. QUIZI A RHYME『BEAUTIFUL LOSERS』

MAD BRIDGEのメンバーとして岩手・盛岡のヒップホップシーンを牽引してきたQUIZI A RHYMEの初ソロEP。

人間味溢れるリリックとソウルフルなフロウからは、キャリアの長さ、積み上げてきたものの大きさを感じる。

 

12. MEEKAE『GANDHARA』

江戸川区出身のラッパー兼トラックメイカーのミニアルバム。

今作では般若やZORNにもトラックを提供しているdubby bunnyにプロデュースを任せている。

一人の不器用な男の生き様が映し出された下町情緒溢れる作品。

 

13. DOUGHDEES x TOMMY DIGITAL『Life Is Too Short』

謎多きレーベルPSYCLU RECORDSから、ラッパーLAXとRodrigoによるDOUGHDEESとトラックメイカーTOMMY DIGITALのタッグ作。

全曲のトラックを手掛けたTOMMY DIGITALのサンプリングを多用したビートが単調になりがちな2人のラップを上手くフォローし、今までの作品に比べて聴きやすく、全体的に開けた作風になっている。

今までPSYCLUの作品を聴いたことがないという人にも是非聴いてほしい。

☆M「」

 

14. COCKROACHEEE'z『Balance of Game』

国内外から注目を集めるビートメイカー/ラッパーILLSUGIと、小宮守によるクルーの待望の1stフルアルバム(他にもメンバーがいるようだが、今作では表立った活躍をしていない)。

7、8年前から東京や神奈川のアンダーグラウンドで活動し、ストリートアルバムもリリースしていたが流通作品は初である。

期待と寸分違わぬかっこいいアルバムという印象。

とにかく黒いヒップホップが聴きたいという方におすすめ。